泉的劇情簡介· · · · · ·
淺間山麓の曽根集落は、水源地の問題で土地の人々と土建會社の間に爭いが絶えない。講演會の途中、大沼博士に隨行して実業家立花公房の別荘を訪ねた少壯植物學者幾島暁太郎は、立花の秘書斎木素子に思慕の情を寄せるが、素子の本心が摑めず悩んだ。まもなく妻と別居中の立花がとつぜん謎の自殺をとげ、素子は立花が投資している土建會社の社長田沢の秘書になった。二年間も幾島を慕いながら、打ち明けずにいる大裏町子は友人の盡力で幾島に會うが、彼が素子を戀していると知って悲しくも諦めようとした。一方、素子から曽根集落の黒巖萬五のような野性的な男が好きだといわれた幾島は、一切を清算して紀州の自然科學博物館に就職した。ある日、幾島は見學団の中に町子の姿を見出したが、町子は憤りをこめた眼で逃げ去るのだった。そのころ、素子は田沢の指図で立花別荘をホテルに改造するため、淺間山麓にあったが、水源地問題は、土建會社と小峰喬を先頭とする村の人々の対立に不穏な空気をはらんでいた。その渦中へ、紀州から町子を追って上京した幾島が、立花夫人の自殺を告げに現われた。素子は初めて、互に憎みきれなかった立花夫妻の愛情を知った。幾島が探し當てた新しい水源地が、黒巖の仕掛けたダイナマイトでひらかれた。歓聲と共に水がしぶきを上げて噴き出た瞬間、黒巖は傷つき彼を慕う小峰の妹セツ子が駈け寄った。數日後、幾島は素子が採ってくれた“こもちしだ”を記念に山を降りて行くのだった。